障害を持っている50代の方にとって、転職市場は一見厳しく見えるかもしれません。インターネットで「50代 障害者雇用」と検索してみると「難しい」「厳しい」などという意見も見受けられます。
企業側のニーズや年齢的なハードル、障害者雇用枠の競争率など、多くの壁が存在するのは事実です。しかし、状況を正確に理解し、適切な準備と戦略を立てることで、50代の障害者でも転職に成功する可能性は十分にあります。
本記事では、50代障害者の転職が「難しい」とされる理由と、それを乗り越えるための方法について詳しく解説していきます。
- 日本では企業に対して一定の障害者雇用が義務付けられているが、現状の採用枠は十分とは言えない
- しかしそんな中でも50代の場合は、「一般雇用に比べて転職市場が広い」「基準を低く設けている企業が多い」などの理由で、障害者雇用での転職は難しくない
- 50代が障害者雇用枠で転職に成功するためには、さまざまなポイントを意識して転職活動を進める必要がある
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障害者雇用の実態
障害者雇用促進法に基づき、一定の企業規模以上の企業に対して障害者の雇用が義務付けられている日本では、障害者雇用は年々増加傾向にあります。
構成労働者が発表した「令和5年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業の雇用障害者数は64万2,178人(前年+約2万8,000人増)・実雇用率は2,33%(前年+0.08%増)と、過去最高を更新しました。
民間企業における令和5年の法定雇用率は2.3%で、これはこの先も段階的に引き上げられるため、今後も障害者雇用の数は増えていくことが予想されます。
50代障害者の転職が難しいと言われる理由
50代障害者の転職が難しいと言われる理由は、主に以下の2つにあります。
- 障害者雇用は枠が少ない
- 一般的に若手人材のほうが有利になる
それぞれ簡単に解説していきます。
50代障害者の転職が難しいと言われる理由①
障害者雇用は枠が少ない
障害者雇用促進法によって企業には一定の障害者を雇用する義務がありますが、実際に用意されている雇用枠は十分とは言えません。
その理由は、企業が障害者を雇用する場合、事務職や軽作業といった限られた業務に求人が集中するため、職種の選択肢も狭くなりがちだからです。
また、特定の障害、特に精神障害に対する受け入れ体制が整っている企業はまだ少数であることも、障害者雇用の求人が少ない理由です。
50代障害者の転職が難しいと言われる理由②
一般的に若手人材のほうが有利になる
日本の労働市場では、一般的に若手の人材が転職市場で優遇される傾向があります。
- 新しい環境や仕事に順応しにくい
- 年下の上司の場合に扱いに困る
- 長期的な成長が見込めないことが多い
- 定年までの期間が短い
企業は長期的な成長を見込んで若い労働者を採用することが多く、50代以上の転職希望者にとっては、年齢そのものがハードルになってしまうのです。
50代の障害者雇用での転職は難しくない理由
50代の障害者にとって、転職は確かに困難な一面がありますが、一方で「難しくない」と言える要素も存在します。
- 一般雇用に比べて年齢による制約が少ない
- 基準を低く設けている企業が多い
特に障害者雇用枠においては、一般雇用とは異なる市場の特徴があり、その点をうまく活用すれば、転職の成功率は高まります。
50代の障害者雇用での転職が難しくない理由①
一般雇用に比べて年齢による制約が少ない
障害者雇用市場は、一般雇用市場と比べて年齢による制約が少ないのが一般的です。
一般雇用では年齢による制約が大きく、50代の求職者は選択肢が限られることが多いです。特に未経験の場合、将来性・体力・柔軟性などポテンシャルが揃っている20〜30代と戦って勝ち抜くのはなかなか難しいでしょう。
しかし、障害者雇用の場合、中途障害も多く含まれるため、そもそも求職者の年齢層が高くなりがちです。
また、企業は法定雇用率を満たすために障害者雇用を進める必要があるため、企業によっては経験豊富な50代の障害者を積極的に採用するケースも見られます。
50代の障害者雇用での転職が難しくない理由②
基準を低く設けている企業が多い
もう一つの理由として、障害者雇用枠においては、企業が採用時の基準を比較的低く設定していることが挙げられます。
ほとんどの企業では、障害者に対して豊富な経験やスキルを求めません。多くのことを求められる一般雇用と異なり「現状何ができるか」を重視して採用するため、合格の難易度がそこまで高くないのです。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント
50代の障害者が転職を成功させるためには、計画的な準備と戦略が欠かせません。
- 業務経験やスキルの棚卸しを行う
- 配慮事項の言語化を行う
- 向いていない仕事は避ける
- 企業の受容度を事前に確認する
- 謙虚な姿勢で選考に臨む
- 転職活動を1人で行わない
- 一般雇用も視野に入れておく
ここからは、50代が障害者雇用で内定を掴むための具体的なポイントを解説します。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント①
業務経験やスキルの棚卸しを行う
50代での転職では、これまでの業務経験やスキルが大きな強みになります。自分がどのような業務に携わり、どんなスキルを持っているかを整理し、棚卸しを行うことが重要です。
これにより、どの企業や職種が自分に合っているのかを明確にし、アピール材料を確保することができます。また、これまでの経験を基に新しい職場でも即戦力として働けることを強調できると、採用率が高まります。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント②
配慮事項の言語化を行う
障害者雇用においては、自分がどのような配慮を必要としているかを明確にすることも欠かせません。
- 通勤ラッシュを避けるために勤務時間を前後にずらしてもらう
- 通勤が困難な場合は在宅勤務を可能にしてもらう
- 車いす利用者の場合はデスクの高さを調整するなど作業環境を整えてもらう
- 体調次第で休みやすい体制にしてもらう
- 過度な業務負担が精神的な負担になる場合は業務量やペースを調整してもらう
- 対人関係がストレスとなる場合は必要なコミュニケーションを最小限にしてもらう
- 静かで集中できる個別の作業スペースを提供してもらう
職場環境や業務内容において、どのような支援や調整が必要かを具体的に言語化し、選考時に伝えることで、企業側も受け入れ準備がしやすくなります。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント③
向いていない仕事は避ける
50代の障害者雇用での転職活動では、体力や健康状態、障害の特性に合わせて、向いていない仕事を避けることが大切です。
無理に自分に合わない職種や働き方を選ぶと、早期離職のリスクが高まり、長期的なキャリア構築が難しくなる可能性があります。
自分の得意分野や無理なく働ける環境を優先し、健全な働き方を目指しましょう。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント④
企業の受容度を事前に確認する
障害者雇用に対する企業の姿勢や受容度は大きく異なるため、転職活動を始める前に、候補となる企業がどの程度障害者に対してサポート体制を整えているか、受け入れ態勢がどのようになっているかを確認することが重要です。
企業の口コミや求人情報、障害者雇用に関する専門サイトを活用し、働きやすい企業を選びましょう。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント⑤
謙虚な姿勢で選考に臨む
50代での転職では、これまでの経験や職歴に自身を持っている方も多いです。もちろん自信を持つことは大切ですが、選考の場では過度な自己主張は避け、謙虚な姿勢で選考に臨むことがポイントです。
企業側が求めているのは、チームワークや柔軟な対応力が発揮できる人材です。特に障害者雇用においては、適応力や協調性が重視されるため、謙虚な態度で面接に挑むことで、より良い印象を与えることができます。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント⑥
転職活動を1人で行わない
障害者雇用の場合、一般雇用よりも自己分析や企業分析に時間をかける必要があり、客観的意見を取り入れることも大切です。
そのため、転職活動を1人で行うのではなく、専門家や転職エージェント、障害者支援機関のサポートを活用しましょう。
- ハローワーク
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 難病相談・支援センター
- 就労移行支援事業所
- 障害者特化型の転職エージェント
転職活動は孤独になりがちです。不安を払拭するためにも、これらの支援機関は役に立ちますよ。
50代が障害者雇用で転職を成功させるためのポイント⑦
一般雇用も視野に入れておく
障害者雇用枠だけにこだわらず、一般雇用も視野に入れることで転職のチャンスが広がります。
特に障害が軽度であったり、特定のスキルが非常に高い場合、一般雇用の方がより良い条件で働ける可能性があります。
障害者雇用の転職サービス一覧
まず、障害者雇用で就職先を探すとき、使えるサービスは5種類あります。それぞれ順番に解説していきます。
- 求人サイト
- 転職エージェント
- 就労移行支援事業所
- ハローワーク
- 求人検索エンジン
障害者雇用枠の転職サービス#1
求人サイト(求人広告型)
求人サイトでは、企業側が掲載料を払って公開している求人が掲載されているので、自分で求人を探して企業に直接応募することになります。
企業側からすると、掲載期間に応じた広告料金が発生しているので、より多くの人材を採用できるように、人材を大量募集している職種(営業職や事務職など)が中心となりやすいことが特徴です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 自分のペースで探せる 企業側と直接やりとりできる 企業スカウトが来ることもある | 少数枠募集の求人は出にくい 人気求人はすぐに募集が埋まる 更新頻度が高くはない |
企業側と直接やりとりすることになるので、転職に慣れている人向けです。また、求人サイト側での審査は最低限なので、自分で見極める必要があります。(ものによっては、離職率が高くてポストに空きが出続けるような怪しい求人だったり、応募しても別職種を案内される釣り求人だったりするので。)
- 転職の軸が明確である
- 自分で幅広い選択肢を探したい
- 自身で選考状況の管理ができる
- 転職や外部との交渉に慣れている
障害者雇用枠の転職サービス#2
転職エージェント(人材紹介)
転職エージェントでは、一人ひとりの求職者(仕事を探している人)に、専属キャリアアドバイザーがついて、求人提案から選考管理、就職サポートまでをしてくれます。
企業側からすると、代わりに「採用条件に合う人材」を探してきてくれる人事代行としての役割があり、さらに採用するまで費用がかからないので、気軽に求人を出しやすいことが特徴です。そのため、求人の種類と幅なら転職エージェントの方が(求人サイトより)多い傾向にあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 少人数募集の求人もある 新着求人が一般公開前に届く 選考管理や転職サポートがある | 担当者次第なところがある エージェント社内選考がある |
また、採用企業が求人を一般公開する前に、エージェント経由で紹介してもらうことができるので、新着求人に応募が集まっていないうちに応募できることも強みです。さらに、面接対策や書類添削などの転職サポートを受けることで、選考も有利になるので、早く転職したいならおすすめです。
- 早めに転職したい
- 新着求人に早く応募したい
- 選考管理や企業連絡を任せたい
- 転職サポートをしてもらいたい
- 求人提案をしてもらいたい
ただ、エージェント次第では社内選考が厳しく「紹介できる求人がない」と断られるケースもあるので、その場合はいくつか試しましょう。
障害者雇用枠の転職サービス#3
就労移行支援事業所
いますぐの就職ではなく、まずは就労訓練(スキル習得や体調管理など)を受けてから就職したい方には、就労移行支援事業所の利用もおすすめです。
定期に通所すれば「安定して就労できる証明」になるのと、職業訓練プログラム(例:ビジネススキル、デザインやプログラミングなど)が用意されていて、就職先の紹介までしてもらえるので、職歴の空白期間が長い方だと、就職率が格段に上がります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 安定通所できる実績ができる 職業訓練でスキルが身に付く 企業を紹介してもらえる | 利用期間中は給料が出ない 一定期間は通所する必要がある 事業所ごとの相性問題もある |
医師の診断書があれば、手帳を取得していなくても自治体が許可するケースが多いのと、ほとんどの方が無料で利用しているので、興味があれば事業所の見学からしてみてください。すぐに働くことに自信がない方や、転職エージェントに求人紹介をしてもらえない方に、おすすめです。
- 職業訓練を受けたい
- 時間をかけて慎重に就職したい
- 転職エージェントに断られてばかり
- 生活費はなんとかなる(生活保護含む)
障害者雇用枠の転職サービス#4
ハローワーク
障害者雇用では、転職エージェントや求人サイトのほうが求人情報が充実している傾向にありますが、地方だとハローワークにしか求人がないこともあるので、地域によっては利用を検討しましょう。
企業側は、採用費用をかけずに求人を掲載をし続けることができるので古い求人が多く、ハローワーク側の審査基準が緩いので、ややグレーゾーンな企業もある点に注意が必要です。総じて粗い傾向にあります。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 自分のペースで検索できる 地域密着型の求人掲載数がある 行けば職員に相談もできる | やや古い求人情報が多い 自分で求人を見極める必要がある 条件が良い求人はほとんどでない |
現代では、転職エージェントや求人サイトのほうが良質な求人が多くなっているので「住んでいる地域で求人がない」などでない限り、積極的に利用する理由はないかもしれません。
- 地方エリアに住んでいる
- 地域密着中小企業の障害者求人を見たい
- 転職エージェントを利用できない
障害者雇用枠の転職サービス#5
求人検索エンジン
最終手段にはなりますが、Indeedをはじめとした求人検索エンジンの利用も選択肢には上がります。最低限の審査基準をクリアすれば、企業側が無料掲載できるので、掲載数は多いです。
ただ、Indeed上で掲載されている求人は、採用企業が出している求人以外に、大小様々な転職エージェントが自社集客のために転載している求人票が多く、さらに釣り求人もあるので、良し悪しを見極めることが難しいという難点もあります。正直、最初から実績ある大手エージェントを使った方が効率的です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 求人掲載数は多い 自分のペースで検索できる | 求人の審査基準が甘い 釣り求人の存在を否定できない 中小エージェントの求人転載が多い |
副業やアルバイトで探すなら、他サービスだと掲載数が物足りないので選択肢にはあがるものの、正社員狙いなら、まずは大手の転職サービスで探した方が効率的です。
- 大手転職サービスに求人がない
- 副業やアルバイト求人を探している
- 転職慣れしていて自分で見極められる
障害者雇用の転職エージェントおすすめ
障害者雇用枠の取扱い求人数が多く、利用者からの評判が良かった転職サービスを紹介していきます。厳選するにあたって下記の観点で各サービスを比較しました。
- 障害者雇用枠の求人総数
- 利用者からの評判・口コミ
- 転職支援の実績が豊富であること
| 順位 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | 6位 | 7位 | 8位 | 9位 | 10位 | 11位 | 12位 | 13位 | 14位 | 15位 | 16位 | 17位 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
LITALICO仕事ナビ | ![]() dodaチャレンジ | ![]() かべなし求人ナビ | ![]() atGPエージェント | ![]() 障害者雇用バンク | ![]() DIエージェント | ランスタッド | |||||||||||
| 総合評価 | 4.7 | 4.6 | 4.5 | 4.4 | 4.0 | 3.9 | 3.9 | 3.8 | 3.7 | 3.5 | 3.4 | 3.3 | 3.2 | 3.1 | 3.1 | 3.0 | 3.0 |
| 求人の数 | 4,000件以上 | 1,500件以上 | 1,300件以上 | 1,300件以上 | 1,100件以上 | 1,000件以上 | 1,000件以上 | 500件以上 | 300件以上 | 700件以上 | 250件以上 | 100件以上 | 1,000件以上 | 2,000件以上 | 100件以上 | 非公開 | 100件以上 |
| 対応地域 | 首都圏のみ | 全国対応 | 全国対応 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 東京のみ | 東京のみ | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 首都圏/関西 | 東京のみ | 東京のみ |
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| 設立日 | 2005年12月26日 |
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|---|---|
| 対象障害 | 全て |
| 対象地域 | 全国 |
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| 運営会社 | パーソルダイバース株式会社 |
| 設立年月 | 2023年4月1日 (旧パーソルチャンレンジ株式会社では2008年1月1日) |
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|---|---|
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| 運営会社 | 株式会社エス・エム・エス |
| 設立年月 | 2003年4月4日 |
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|---|---|
| 対象障害 | 全て |
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| 求人件数 | 1,200件以上 |
| 運営会社 | 株式会社ゼネラルパートナーズ |
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|---|---|
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| 求人数 | 1,000件以上 |
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補足(よくある質問)
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